2013年7月29日月曜日

ツアー終了

週末土曜日、日曜日と渋谷オーチャードホールにて綾戸さんのデビュー15周年記念ツアーの締めくくりとなるライヴ。両日ともクワイアの参加もあり、内容も濃く充実したライヴとなった。

これは内輪話だが、通常ツアーの仕事の場合、1〜2週間のリハーサルをして曲のアレンジ、曲順やステージの構成、楽器の管理、スタッフとの連携等々を詰めてロードに出るのだが、綾戸さんの現場は全く違うやり方。驚くことなかれ、綾戸さんのステージはこのツアーのためのリハーサルを全くやらないのである。今回初日は5月の札幌公演だったが、メンバーが顔を合わせるのも当日で、それもライヴでは半年ぶりくらい。およその曲順を前もってメールで知らされる程度。リハーサルは本番当日、公演前にしかやらない。

というのも、2月に行ったレコーディングでおよそ音作りは詰めてあるので、皆それぞれのパートは覚えていて、ライヴ当日、構成など曲ごとに復習って決めるだけ。以前からのお馴染みの曲もあるので、およそ20曲程度の内容もさほど時間をかけずにリハーサルする。バンドのみならずスタッフもこのやり方にもう慣れているので、照明、音響とあっという間にステージを作っていく。こういったやり方はジャズの現場にはわりとありがちだが、綾戸さんの歌う曲にジャズのスタンダードはごくわずか。決してインプロヴィゼーションに集中するという内容ではないので、さすがに初日は緊張するが、この緊張感がかえって演奏に対する集中力を高め、ちょっとしたミスもそれをどう切り返すかで新たな展開がひらけたりして、メンバーもそれを楽しんでいる部分さえあるのだ。

綾戸さんはよくステージで「昨日の演奏は今日のライヴの為のリハーサル、そして今日の演奏は明日のためのリハーサルです」と堂々とお客さんに向けて話す。ちょっと冗談まじりなこのセリフ、なかなか真をついていて、今日の演奏にベストを尽くさずして、明日の演奏がグレードアップすることはないだろうと。なので初日の札幌公演も、千秋楽のライヴでもベストを尽くして演奏しているという事に変わりはない。しかしツアーとなると短い期間に演奏する機会が増えるので、徐々に阿吽の呼吸というのかステージ全体がまとまってくるのは確か。まあそれがツアーの醍醐味というもの。

昨日のツアーファイナルの様子は8月25日にWOWWOWにて放映される。僕自身、今回のツアーはどの公演を放映されても構わないなぁ、と思うくらい楽しみながら集中できた。特に選曲、構成がよく、誰が見ても楽しめる内容だったのではないだろうか。それでいて毎公演新鮮な気持ちでライヴに挑めたのは、やはり「リハーサルをやらない」という手法が効いているのかもしれない。

5 件のコメント:

  1. 富士見 不美子2013年7月30日 23:00

    28日、ツアー最終日とか、そういうことは全然知らずに行きました。いやあ、何が良かったって、パーカッション!ビックリしたのです。綾戸知恵さんの歌声より何故かひきつけられて、パーカッションに注意が向いていました。そして、SWAYでのあの絶妙な間の取り方、手の使い方・・・感動して涙が出てしまいました。そして、パーカッションにこんなにも感動した自分に驚き・・・。早速田中倫明氏をネット検索。(これまで知らなくてごめんなさい)そしてCDを注文。もう、とりこです!素晴らしい世界を有り難う!

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  2. Michiaki Tanaka2013年7月31日 18:39

    富士見さま

    コメントありがとうございます。
    綾戸さんのライヴではドラムレス、アコースティックな編成とあってパーカッションの音が伝わりやすいかと思います。自分のバンドでもライヴやってますので、よろしければ是非どうぞ!

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    1. お返事ありがとうございます。ライヴ、是非是非行きたいです。情報お知らせくださいね。
      とっっっっっても楽しみです!新たな生き甲斐、ああ嬉しい。

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  3. Michiaki Tanaka2013年8月1日 14:31

    10月にやります。詳細はまたこのブログで追ってお知らせします。

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    1. 富士見 不美子2013年8月2日 11:33

      10月ですね。楽しみにしています。
      ありがとうございます。

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