2013年7月27日土曜日

R.I.P Steve Berrios

昨日、パーカッション・マガジンの記事を書いたばかりというのに、こんな訃報が舞い込んで来た。

そう、僕の師匠”Steve Berrios”(ステェーヴ・ベリオス)氏が亡くなった。まだ詳細は全くわからないのだが・・・。

前述の記事でLP社から届いたレコードから、ベーシックなテクニックを学んだわけだが、丁度その頃、79年だったか?ラテンキング「ティト・プエンテ」がN.Y.からコンボを率いて来日、それまでちょっとは理解したつもりだったラテンリズム。ところが彼等の演奏を目の当たりにして僕はぶっ飛んでしまった。今までに見た事も聴いた事もないアンサンブルとグルーヴ、自分がそれまでに体験した音楽には全く無い興奮を覚え、身も心も震えたのを今でも覚えている。

当時すでにプロとして仕事をしていたのだが、あの感覚はN.Y.へ行かなきゃ分かるまいと気がつけば翌年にN.Y. へと渡り、根本からラテン楽器を勉強し直そうとレクチャーの窓口を探して最初に出会ったのがスティーヴ・ベリオス氏であった。彼は僕が最初に手に入れたSalsaのレコード、ヘクトル・ラボーの「コメディア」という名盤でティンバレスを叩いていた人。日本ではあまり知られていなかったが、当時モンゴ・サンタマリアのバンドメンバーで、ドラムセットからディーブなアフロキューバンのパーカッションまでこなすマルチ・プレイヤーだった。

その温厚な人柄に加え、まだまだラテン音楽の右、左も分からぬ僕に丁寧にその実践的基礎を教えてくれた人である。それはレコードで勉強しただけでは分からないリズムの空間を一緒に感じさせてくれ、彼のレクチャーを受けて色々なリズムアンサンブルを覚えることができた。彼はもともとトランペット奏者で、自信のソロアルバムでその演奏を聴くこともできるが、なんと言っても個性的でテイスティー、かつグルーヴィなドラミングがたまらなく魅力的だった。

その後、彼がブルーノートに演奏に来たり、僕がN.Y.へ演奏に行ったりする機会には必ず会って飲みに出かけたものである。しかしこの数年、お互い会う機会もなく、この急な訃報にただただ驚いている次第。何があったのかは次第に分かることだろうが、いまはただご冥福を祈るばかりである。

Rest In Peace Steve!!

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