2013年8月2日金曜日

房州サザエ

8月に入って千倉の海はいよいよエビ網漁解禁。夕方、沖合に網を張って翌朝夜明け時に網を引き上げる。この引き上げた網から伊勢エビを外したあと、網にかかったサザエやイソッピ(カニ)、海藻などを取り除いて、網を掃除するのだが、もう毎年の恒例行事のようにこの手伝いに通っている。

初日の今日、朝5時過ぎに港へ行けば、毎年顔を合わせる同部落の人達がたくさん集まっている。港でこの網掃除をする漁師さんもいれば、家の軒先へ網を運んで作業する人もいる。いずれも近所の人が集まってその手伝いをする。久々に顔を合わせる人達の挨拶が飛び交い、みんな今年も元気でいい。網掃除をしながら世間話をする中、地域の人達の様子もよくわかるのだ。

この作業、2時間ほどで終わるが、網にかかった魚やサザエ等、水揚げしない分を手伝いに来た人達に分け振る舞う。まあこれが楽しみでもあるのだが。今朝もサザエ、小さな伊勢エビ、イソッピ(写真は一部)をいただいて帰った。イソッピはカニとして食することはないが、これで出汁をとって蕎麦つゆなどにすれば絶品となる。

ここへ引っ越してきて驚いたのは、房州のサザエの大きさである。エビ網にサザエがかかること自体最初はビックリしたのだが、時には鈴なりにかかることも。大きいものでは直径15cmくらいもあるだろうか?ひとつ食べたらもうお腹いっぱいという感じ。しかも網から外してそのままいただいてくるサザエの味は濃厚、普通市場で生け簀で売られているものも元気なサザエだが、生け簀のきれいな海水に入れられたサザエは、砂を吐いたうえ味まで淡白になってしまう。これは獲れたてを食べてみない限り分からない味である。

湘南で育った僕にすれば、夏海へ出かけると海の家でサザエのつぼ焼きなどがメニューにあって、炭で焼かれた香ばしい磯の香りが海水浴のイメージとし て焼き付いている。しかし大人になって分かることだが、江ノ島あたりでサザエ漁をしているのを見た事が無い。どうやら湘南あたりに出回るサザエは韓国産の ものがほとんどとか。貝は小ぶりで高価である。しかしそれが普通の大きさだと思っていた。ちなみに江ノ島の裏側の岩場を見渡せる食堂には「江ノ島丼」とい う名物料理があるが、これはサザエの身を小さくほぐして卵でとじた、いわゆる「サザエ丼」の事。

これからお盆前まで海況が良い日はこのエビ網漁が続く。早朝の港の活気はこの時期ならではのものだが、しばらく我が家の食卓はサザエ三昧となり、田舎生活の醍醐味を味わう特別な時期でもある。

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