2013年9月28日土曜日

ハープの魅力、魔力?

ここ一週間、録音の仕事で都内に行ったり来たり。久しぶりに徹夜仕事もあって、時差ボケ状態。昼夜逆転は歳のせいもあってか身体にダメージが。演奏中は内容に集中するので気にならないが、朝帰りは翌、翌々日と疲れが残ってしまう。身体を鍛えているといっても寝不足、不規則な生活にはかなわない。ちょっと情けない。

さてそんな中、昨日は菊池成孔氏率いるペペ・トルメント・アスカラールのニューアルバムのレコーディング。今回の編成はパーカッション2人、ピアノ、ベース、バンドネオンにハープ。菊池くんはこの日唄とラップ。なんとも珍しい編成だが、当たり前にサウンドしてしまうから不思議だ。

写真の楽器はご存知ハープである。奏者は堀米綾さん、プロフィールはググってね。正にハーピストらしい素敵な女性である。僕はこのバンドに関わるまでハープと一緒にライヴをやったり、録音をしたりという経験は無かった。出来上がった音にハープがダビングされているという事はあったけれど。生演奏を聴くのもクラシックのオーケストラにハープが加わったものを聴いたくらい。

この楽器、単体で聴けばいわゆる竪琴の柔らかいゴージャスな音がするが、他の楽器と交じると独特な存在感となる。ギターやピアノの様に直接耳にこないというか、全体を包み込むように鳴って、決して前へでしゃばらない音なのに、要所々々でキラリと輝く響きが際立つのだ。そしてこの楽器があるか無いかで、バンドのサウンドはガラリと変わってしまう。しかし聞き慣れない人だと、CDを聴いているだけではハープのパートを聴き分けるのが難しいかな。菊池くんのアレンジではこの楽器の魅力を各所にちりばめ、もはやペペには欠かせないパートとなっている。

今回も奇々怪々のポリリズムと意表をつく音の組み合わせ、ハーモニーはいつもの通り、果たして新作の内容はいかなるものに・・・。

2013年9月20日金曜日

Romantica Live!!

Photo by 早川純
あと一ヶ月程先になりますが、中目黒「楽屋」にてRomanticaのライヴをやります。

今回も前回同様、トリオにバンドネオンを加えた4人編成で、詳細は下記の通り。

    10月21日(月曜日)
    @中目黒「楽屋」Tel:03-3714-2607
    OPEN / 18:00  
    START / 19:30~ & 21:00~
    Charge : ¥3,000
    メンバー    田中倫明(Perc)
                     梶原順 (G)
                     橋本歩(Cello)
                     早川純(Bandoneon)


バンドネオンの早川くんは向学心豊かな若者で、11月から来年7月までフランスへ留学します。もちろんバンドネオンの腕を磨くため。しばらくこのメンバーで演奏できなくなりますが、彼の成長を見守りながらまた帰国した際には一緒に演奏したいと思っています。

Romantica自体は今後もライヴ活動をして行きたいと思っています。トリオなり、別の編成で出来ればツアーなども企てたいと・・・。今後の動向もチェックしてください。

2013年9月16日月曜日

Y.ASANO 7th Years Memorial Live

久しぶりの3日連続ライヴで今朝は手が腫れぼったい。ただ普段のライヴやツアーが終わった感覚とは全く違った余韻が自分を包んでいる。

2007年、ギタリスト浅野祥之氏が亡くなり七回忌にあたる今年、この節目に彼の為に何かしようと立ち上がった企画。角松敏生氏を中心に、彼にゆかりのあるミュージシャンが集まって在りし日の浅野さんを偲ぶライヴを行った。

亡くなった時は、あまりの急な出来事に驚いている中、あっという間に葬儀も終わってポカンとしてしまい、しばらく彼の存在がなくなった事を実感できずにいた。お通夜もみんなでゆっくり飲み明かした覚えもなく、四十九日の頃だったか、家を尋ねて今一度お線香をあげに行ったものの、それ以来彼を知るミュージシャン同士、会えば彼を懐かしむ話をするくらい、ただ時間だけが過ぎて行ってしまった気がする。

今回のライヴは彼の残した音楽をみんなで振り返りながら、デジタル技術を活かして、生前録音された彼の演奏や唄のトラックに合わせて、ライヴ演奏をするというもの。ライヴには旧知のミュージシャンがゲストとして訪れたり、ライヴ、ツアーに関わったスタッフも多く駆けつけ、しばらく顔を合わせなかった面々が集まり彼の音楽を懐かしみながら、ライヴ終了後は毎夜みんなで酒を酌み交わし、その想い出話は夜更けまで続いた。

今回、改めて浅野さんの音楽に触れる事で、当時気付かなかった彼の広い音楽性、音に対するこだわりなど今になって新たに感じることも多く、特に彼が90年代前半に主催したバンド「空と海と風と」での彼の楽曲は、僕のイメージする浅野さんの姿そのものという印象で、当時ライヴも何度か観ているものの、楽曲だけを取り出して演奏してみると、その素晴らしさを再認識させられた。

アンコールでは中学二年生の倅さんの友也くんがギターで参加、その堂々たる弾きっぷりにメンバーもビックリ。まさに浅野さんが生まれ変わったような姿を、暖かく見守りながら一緒に演奏できたのは貴重な時間であった。そしてメンバーそれぞれ浅野さんに対する想いも熱く、いろんな場面で皆涙をこらえながら演奏していたという事もお伝えしたい。

僕にしてみるとこういうライヴの内容は初めてで、こういった機会にミュージシャン、スタッフ、そしてお客さんが多く集まったのも、浅野さんの人柄、人間性の現れだと感じさせられ、七回忌という節目にふさわしい素晴らしい内容だったと思う。

追記:今回のライヴにあわせて用意した「イーハトーヴ浪漫」を多くの方々に買っていただいた。普段はお店が販売手数料をとるのだが、今回はこの主旨を汲んでいただき手数料は無し。売り上げは浅野さんの七回忌の法要の御仏前として、そしてみなさんの気持ちもお届けしたいと思い、ご家族に進呈させていただいた。

2013年9月12日木曜日

美しいフォーム

この記事はコアなチャリンコネタで、且つ長〜い内容なので、自転車に興味の無い方パスしてください。

僕にとって競技用自転車のフォームやペダリングはある意味永遠のテーマ。プロでも全ての選手が同じフォーム、ペダリングスキルで走っている訳ではない。正解は個人々々違うものかもしれない。僕は50歳を超えて、楽器を演奏する際の理想的な姿勢というものをよく考えるようになった。加齢とともに音の出し方も変わるとはいえ、エレクトリックな編成ではそれなりのヴォリュームを要求される。そこで効率よくパワー(音量)を出しながら疲れにくく、かつ自由なパフォーマンスをするにはどうしたらいいのか?

前述したこーぢ倶楽部にてロードレーサーの乗り方を学びながら、身体の使い方に大きなヒントを得ることが出来た。自転車の乗り方と楽器の演奏方法(打楽器の叩き方)は一見全く違う運動だが、いずれも近年よく取り沙汰される「体幹筋の使い方」が要だと気がついた。そこを中心に身体の使い方を意識すると、自ずと効率良い奇麗なフォームが浮かび上がってくる。おかげで最近は随分と楽に演奏できるようになってきた。

さて現在、3大ツールのひとつブエルタ・エスパーニャが開催中である。この写真は第12ステージで優勝したフィリップ・ジルベール選手。世界チャンピオンの証、アルカンシェルを纏った彼は31歳、自転車選手としてはベテランで脂ものっている時期である。このステージ、ゴール前がわずかながら上り坂ということで優勝のチャンスを狙ってゴール手前11kmを行く姿。ゴールまでの位置取りを争いながら時速50kmを超すスピードで走っているところ。彼はいわゆるパンチャーと呼ばれるタイプの選手だが、平坦なスプリントよりも短い上り坂でのスプリントで爆発的な力を発揮する。この日もゴール前の短い上り坂を活かして、先攻する選手をぶち抜き優勝した。

TV放映の為、バイクの後部座席にカメラマンが乗って選手を追走しながら撮影する。この日の優勝候補として真横から抜かれた映像となったが、この映像がなんとも興味深い。僕はひたすら美しいフォームだと思うのだが。

こーぢ倶楽部のレクチャーで、康司さん現役時代のフランスでのレースの映像を見ながら理想的なフォームの解説をしてくれる。そのレース内容は、ジルベール選手が集団からアタック、そのアタックを追って康司さんとコフィディスの選手二人が集団から飛び出す。映像はゴール手前10km程前だっただろうか?先行するジルベール選手とそれを追走する康司さんの画像が何度も交互に映し出される。

現役時代、ガチャ踏みだった?康司さんは、ジルベール選手がいかに効率のいいフォーム、ペダリングをしているかを訴える。なんと康司さんと一緒に前を追うコフィディスの選手もガチャ踏みで、ジルベール選手はスピードにのったまま上体が動かないのに対して、二人はペダルを踏み込む度に上体が左右に揺れる。その様子の差は素人が見てもわかる。プロのレース、早く走れるならフォーム、ペダリングともどんなスタイルでも構わないとも思うが、効率のいいフォーム、ペダリングによるパフォーマンスは長時間強いパワーを出す際にじわりじわりと差がでる様に見える。結局2人はジルベールに追いつく事無く、集団から1人上がって来た選手と3人で2位争い。康司さんは4位でフィニッシュした。(これでももの凄いことだけれど)

現代の競技用自転車は、ペダルとシューズをスキーと同様ビンディングシステムで固定するのが常識。そこにプロとアマチュアの違いは無い。このビンディングペダルの特徴は、ママチャリと違って足とペダルが固定されているおかげで、踏み込むだけでなくペダルを引き上げることが出来る。よって踏み込む足と反対側の足を引き上げることで股関節まわりの多くの筋肉を大きく使うことによって、より強い力をペダルに伝えることができるという訳。

今一度ジルベール選手の写真を見て欲しい。左足、足首の力が抜けて大腿でペダルを引き上げる様子がハッキリと分かる。証拠に足のつま先が真下を向きかかとが持ち上がって、大腿からペダルを引き上げている。この力の加え方をすると自転車は自ずと直立しようとして、自転車自体が真っすぐ安定して進み、身体も真っすぐブレず体幹が安定して股関節周りの筋肉の動きをダイレクトにペダルに伝えられるのである。踏み込むだけのペダリングをしていると右、左と踏み込む側に体重が乗ってしまい、自転車も左右にブレてしまう、これがガチャ踏み。これは3本ローラーに乗ってパワーをかけてペダリングしてみると、誰にでもすぐに分かる。

そしてもうひとつ注目すべきは、身体の大きさとフレームの大きさの比率である。ジルベール選手は身長179cm、ヨーロッパ人としては標準的かと思われる体格だが、フレームサイズは身体の大きさに対して日本の常識?からするとちょっと小さめに感じないだろうか。フレームのサイズは定かではないが、ヨーロッパのレースを良く観察すると、フォームに応じたフレームサイズは意外と小さい。そしてサドルとハンドルの落差が大きいのはヨーロッパ人の手足が長いからだと説明されるが、果たして本当にそうなのか?効率よくペダリングする為の姿勢というのは自ずと決まってくるもので、この前傾姿勢にも根拠がある。それは全て体幹筋の強さが要になるが、自分でも鍛え方次第でこういうフォームをとれるハズなのだ。

この写真では、ゴールまで距離も少なくスピードもかなりのっていると思われ、サドル前方に腰が位置しているが、多分この時点では、ハンドルを握る手にも力は入っておらず腕はリラックス、力は体幹筋を中心に、ペダルを回すために踏む力と引く力のバランスが効率よく伝わっていると思う。ここからゴールスプリントで一段と加速する時には肩から腕にも力が加わって、よりパワフルな走りとなると考察する。しかしジルベール選手はゴール前のスプリントでもあまり自転車を大きく振らず、姿勢が崩れない。

奇麗なフォームに見えなくても速い人は速い。個人差はあるものの、結局2輪という不安定な乗り物の上でいかに強いパワーをスピードに変えるかは「体幹筋」が要だと見えてきたが、それを鍛えるには努力も伴うし、理想のかたちをイメージすることも大事だろう。しかし美しいフォームには理由だけでなく、結果も伴うので、やはり諦めずに目指したいものである。楽器の演奏にしろ、自転車の乗り方にしろ。

2013年9月10日火曜日

奇麗な花には・・・

蒸し暑〜い夏がいつまで続くのかと思いきや、朝夕ぐっと涼しくなって季節は確実に秋に向かっていると実感できるが、我が家では季節ハズレに咲き乱れるハイビスカスよろしく、なんとこの時期になって鉢植えのブーゲンビリアが満開 ! ! 。沖縄あたりでは生け垣になっていたり、その鮮やかな花の色が夏の強い日差しに映えるイメージだけど、我が家ではこれからしばらく咲き続ける。というか少し寒い時期こそしっかり咲いていたりする。

が、ブーゲンビリアはこの奇麗な花から想像できないくらい強い植物で、ツル状に枝を広げていくのだが、その枝に鋭いトゲを持っている。地植えでも越冬してしまうし、春先からビュンビュンとあちらこちらにそのトゲのある枝を伸ばして、周りの木々を呑み込んでしまうくらいの勢いとなる。かと言って剪定をしても、思いもかけないところから枝分かれするので、こちらの思惑どおりに木の形を作れないとくる。なので大きめの鉢に植えてあげて、手に負える範囲の大きさで育てるのが良いかと。強いを超して凶暴と表現してもいいかも。


そして、5月にたった2株だけ植えたカボチャの苗。夏の間にツルを伸ばしまくって30坪程に広がった。9月に入って実が段々と大きくなり始め、ここへきて20個近いカボチャの収穫である。ツルの間にはまだこれから大きくなりそうな実がこの2~3倍程ある。旬はあくまで収穫の多い時期を言うらしいので、今月から来月にかけてが旬となるのだろうが、カボチャは穫れたてよりも、少し寝かせた方が甘みが増すという。「冬至にカボチャを食べると風邪を引かない」なんていうくらい、おいしいのは冬の時期かもしれない。環境がよければ1年くらい保存できるので、我が家ではここ数年カボチャを買ったことが無い。

2013年9月5日木曜日

イーハトーヴ浪漫、再発 ! !

来週の金、土、日と目黒ブルースアレイにて行われる、角松プレゼンツ「浅野祥之 7th Years Memorial Live」に向けて、ライヴ演奏はもちろんのこと自分で何か出来る事ないかなぁと考えていたところ、浅野さんがRomanticaに参加してくれたアルバム、「Dos」と「イーハトーヴ浪漫」を聴き返してみた。中でもやはりベストテイクは「IHATOV」のギターソロでなんとも印象的。宮沢賢治を好きだった浅野さんのイメージもあって、当時の録音風景なども思い出し、彼の想いがストレートに音になっていると感じた次第。

元々の「イーハトーヴ浪漫」はCDの他にイメージ映像を収録したDVDも合わせ、ジャケットも凝った力作で、2005年にリリースした作品。収録した楽曲数は少ないが、この作品を作るにあたって小説を読み耽ったり、花巻へ取材に行ったり、賢治さんの作品の権利を管理している林風舎を尋ねたり、かなり入れ込んで制作に取り組んだ。Romanticaの作品の中でも一番評判が良かったのもこの作品、何度か増刷もしたが完売してしまい、手元に数枚が残るのみ。

今回のライヴをキッカケに増刷を、と考えたのだが、CDとDVDをカップリングしたこともあってこのCDだけ重量感があって、値段も¥3000とちょっと高め。そこで今回、その音源のみをパッケージしてジャケットもシンプルにデザイン仕直して値段を下げ、¥1800で販売することに。今回のライヴでの売り上げは浅野さんのご家族に進呈しようと考えている。ライヴに来られる方で、まだこの作品を聞いていない方には是非お買い求めいただきたい。ちょっと多めに作ったので今後、自分のライヴでも販売していく予定(CDショップでは扱われません)。

2013年9月3日火曜日

晩夏、色鮮やか

9月に入ってもここ南房総は日中はまだ30℃を超える暑い日が続いている。しかしこの暑さの中、空の色は明らかに秋の気配を醸し出す。写真は我が家のハイビスカス。ここ数日昼間の日差しは強いが、空は遠く青く抜けまくり、景色全体の色のコントラストがとても強い。この写真も背景の空に花の色が妙に浮き上がって見える。真夏だと湿気がもう少し多く、空の色も霞んで見えてこれほど原色が引き立たない。

この辺りではハイビスカスも地植えにして、冬の風さえ避けられれば越冬できる。しかし1月頃には葉が一度全て落ちて、芽吹くのは5月くらいから。花は8月の盛夏の時期からポツポツと咲き出す。沖縄あたりだと通年葉も落ちないはず。しかしこれから花の咲く期間は長く、なんと12月くらいまで花をつける。秋にハイビスカスが咲くのはなんだかイメージと違うのだが・・・。

さて乗鞍から戻って畑を見れば収穫しそびれた野菜が大きくなっていて、オクラ、茄子、ピーマン、トマトと、もう終わりかけの季節のハズと思いきや、ざっと これだけ収穫できた。特に今年は茄子がとてもよく実をつけてくれる。8月半ばには葉も随分枯れてそろそろ終わりかな?と思っていたら、その後雨が降ってか らまた復活。植え付けたのはたった4株だが、大きく繁茂してまだ当分収穫できそう。秋茄子ということになるのか。実も真夏時よりも奇麗で虫もつきにくい。 こういう状態は植物自体にパワーが満ちあふれている証拠。葉や幹に勢いが無いとすぐに虫がついてしまう。

キュウリや茄子、トマト等、収穫に追われる時期は毎日食べても余ってしまう。例えば今年のキュウリは2株を植え付けただけなのに、多い時は一日に10本くらい収穫がある。ピクルスにしたり、漬け物にしたり、サラダにしてもまだ余ってしまう。そこで今年はこんな保存法を見つけた。キュウリや茄子は5mmから1cmくらいの輪切りにして、並べて天日干しにする。水分が飛んでひなびた感じになるがこれを小分けして冷凍。収穫シーズンが終わってから解凍してそのまま料理して使うと、意外や元の食感が戻って食べる事ができる。

キュウリの収穫は8月半ばに終わってしまった。それまで収穫量の多さに頭を悩まされたのだが、穫れなくなると急に寂しくなる。マーケットに行って3本で150円くらいで売っていると意地になって買わなかったり(笑)。そこで今年は晩生のキュウリを1株だけ植え付けてみた。今のところ順調にツルを伸ばしているが、果たして秋にキュウリが実をつけるのだろうか。結果はまた報告したい。

2013年9月1日日曜日

乗鞍

チャリンコネタ、続きます。

台風が日本列島を横切る様な予報すら出ていた週末、乗鞍ヒルクライムレースに遠征。天気は予報ほど崩れなかったものの、土曜日夜にはかなりの雨が乗鞍近辺に降った。夜が明けて雨は上がり、雲の間から青空も見える程になったが、頂上ゴール付近の道は土砂が流れ込んだ模様、レースは急遽距離を短縮して15km地点の位ヶ原山荘をゴールに変更して行われた。

今年もこのレースには4500人もの参加者があり、距離を縮めての開催は主催者の英断であったが、新たに設定したゴール付近のスペースが狭く、ゴール後下山までの流れが大渋滞となった。(写真)

さて、今年の自分の乗鞍のテーマは、この一年改造してきたフォームとペダリングの技術をどう生かせるかということ。もちろんタイムも縮めたい。日本中から坂好きのライダーが集まるこのレースでは到底着に絡めるはずもなく、あくまで自分の能力を知るのが目的である。なので特にスタート前に緊張もせず、ウォーミングアップを済ませてスタートラインに着いた。タイムは1時間切り目標。

自分の参加したカテゴリーは51~60歳のF組、このカテゴリーだけで665名が参加。二組に分かれ5分間隔をあけてスタート。僕は後発。スタートはスムースで、前半はなかなか調子がいい。斜度もこんなもんだったかなぁ、という感じでスイスイ前に出ていける感じ。およそ7km地点三本滝を過ぎてから徐々に斜度がキツくなるが、それでもシッティングでクックと登って行く。

今回はパワーメーターも使わず心拍計の数値のみをチェックしながら走る。最近では加齢のせいか最大心拍数も随分下がって、余程追い込んでも170bpmをちょっと超すくらい。今回は160bpm平均をメドに走るが、164くらいになるとだんだんキツくなって158くらいまで下げるとちょと回復するという調子。ペダリング自体はかなりスムースで、今までの乗鞍で走っている感覚では一番楽しい。斜度のキツいカーブのインコースもフォームを崩さず上っていける。

下山中、道も乾いて景色も開ける
 いよいよゴールが近づくにつれ(残り3kmくらいから)、息も心拍もキツくなる。しかし足を動かす筋肉は余裕がある感じ。これは高度が高く空気が薄いからだろうか?ゴール間際もダンシングで一気に駆け上がる余裕があったけど息はゼイゼイ。タイムは1時間4分でガッカリ。というのも去年はこの地点を1時間1分で通過、ゴールは1時間26分。という事は今年の感じで頂上まで行ったとしても1時間半は切れなかったかな? 走っている感覚は今までで最高だったのに・・・。

順位は196位/665人と、このタイムならこんなモン。平均の心拍数が160bpmは自分なりにちゃんと走った証だけれど、もう少し早くゴールしたい。心拍は一杯々々なのに足は残ってるってのは、今後どうしたらいいのか?フォームにしてもペダリングにしてもまだ完成した訳でもないし、まだやるべきことはあるはず。

うまく言えないのだけれど、走っている感覚は以前よりずっと楽しいからと、自転車なんて楽に乗ってればいいやとは思えない。まだちょっとだけでも成長できやしないかと、暫くは足掻いて頑張ってみる。