2014年8月6日水曜日

サザナミヤッコの嫁入り?

ブログコンテンツの中でも一番更新がわずかなのが"Aqua Life"だろうか。海辺に住んでいるのだからもっといろんなネタが拾えると思っていたのだが、なんだか日常生活の一部という感じで、海が身近すぎてニュースに鈍感なのかもしれない。

さて、「死滅回遊魚」という言葉をご存知だろうか?黒潮にのって紀伊、伊豆、房総半島などの温帯域に流れ着いた熱帯、亜熱帯域の魚をさし、冬に水温が下がってそのまま死んでしまうことからこう呼ばれるのだが。特に秋口あたり、水温が高い時期にここ房総半島の岩場でもスズメダイ、チョウチョウウオやヤッコ等の幼魚が流れ着く。この死滅回遊魚を採取して水槽で飼うという趣味を持つ人も多く(いや多くはないか)、僕も10年程前くらいに紀伊半島まで採取しに行った事もある。

都内に暮らしている時は水槽を何本が回して、サンゴの飼育や、クマノミの産卵までやっていた時期があった。田舎暮らしを始めてからも、一本だけ水槽を回し続けている。近場で採れたチョウチョウウオをもらって育てたこともあるが、漁師さんからもらった好物の赤ナマコが食べきれず、この水槽に入れたところ、ナマコの毒で魚は全滅なんてこともあった。それからしばらく空回ししていたわけだが、地元の人から「一昨年採ったサザナミヤッコあげようか?」と言われて、久しぶりに全換水、LED照明も新調していよいよ本日嫁入りとなった次第。

ご覧の通り、もう幼魚というには随分成長していて体表に黄色が出て来ている(この辺りで採取されるのが3~5cmくらいの状態で、色はブルーに黒と白のストライプが混じる)。現在の体長は12~3cm、成魚は30=40cmほどになり、縦の白い縞は消えてブルーとイエローのグラデーションが美しい個体となる。ただ小さな水槽ではそこまで大きく成長はしない。

久しぶりに水槽に魚が入ると、それまで動きの無かった水槽が急にイキイキして、その奇麗な紋様にしばし見入ってしまう。新しい環境へやってきた魚は人間同様、落ち着くのに時間がかがる。自分が水槽に近づいただけで餌をねだるようになれば、随分順応した証拠。餌や照明等、魚にとって環境が良ければ、体表の色もぐっと鮮やかになって元気になる。飼育の経験も長くなると、魚の体調もある程度見て分かるようになる。調子を上げるべく見守ってやるのも飼育の楽しみである。

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