2015年10月29日木曜日

マヌエル・ド・オリヴェイラ監督作品を鑑賞

今年の4月に106歳で亡くなったポルトガルの巨匠、"マヌエル・ド・オリヴェイラ" 監督の作品をDVDで鑑賞。80年代に貪るように映画を見た自分だが、巨匠と言われるこの監督を最近まで知らなかった。それもそのはず、この監督、90年代に入ってから続々と作品を発表。ということは本人80歳を超えてから意欲的に映画制作に取り組んだことになる。

日本公開の作品も少ないようで、DVDになっている作品も限られる上、高価。この作品はまだ入手しやすい方かな。この作品、ジャケットのクリアな映像と裏腹に、映像は粒子が荒く、色も飛んで全体的に暗く滲んだような画面。DVD化された映像はオリジナルからかけ離れているのだろうか? しかし観進んでいくうちに、まるで油絵の動画を見ているような錯覚に陥り、神秘的かつミステリアスな内容とも相まってなんとも美しい映像に見えてくる。主演のカトリーヌ・ドヌーヴは歳を重ねても美しい女優だが、その美しさにこれほど惹き付けられる作品があっただろうか。監督の力量をまざまざと見せつけられる作品である。

1995年の作品というから当時監督は86歳。亡くなる前まで作品をクリエイトしたそのエネルギーはどこからくるのか? 自分の歳を考えるといろんな勇気をもらえる。こうなると全ての作品を観てみたいところだが、DVDをコレクションするにはかなりの投資が必要だな。

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